私が汚部屋インスタを始めた日!孤独からの脱出
私の部屋は、長らく誰にも見せられない秘密の城だった。いや、城というよりは、モノという名の瓦礫に埋もれた牢獄と言うべきだろうか。仕事のストレスと生まれつきの面倒くさがりな性格が相まって、気づけば足の踏み場もない有様。週末は、そんな部屋でただただ無気力に過ごし、自己嫌悪に陥るだけの日々だった。転機が訪れたのは、眠れぬ夜に何気なくインスタグラムを見ていた時だ。「#汚部屋」というハッシュタグに導かれ、恐る恐る覗いてみると、そこには私と同じ、いや、それ以上に壮絶な部屋の写真が並んでいた。しかし、そこに漂っていたのは絶望だけではなかった。「一緒に頑張りましょう」「私もここから始めました」という温かいコメントのやり取り。彼らは恥を晒しているのではなく、変わろうともがく姿を共有し、励まし合っていたのだ。衝撃だった。私は一人じゃなかった。その事実に、暗闇の中に一筋の光が差し込んだ気がした。震える手で、私は匿名のインスタアカウントを作った。そして、自分の部屋の最も汚い一角を撮り、短い決意表明と共に投稿した。心臓はバクバクしていた。罵詈雑言が浴びせられるかもしれない。しかし、数分後に届いた最初の通知は、「わかります。その気持ち」という共感のコメントだった。涙が溢れた。その日から、私の孤独な戦いは、仲間と共に行う冒険へと変わった。シンクを磨いただけでも写真を撮り、応援のコメントに勇気づけられる。インスタは、私にとってただのSNSではない。それは、私を牢獄から救い出し、新しい人生へと導いてくれた、かけがえのない場所なのだ。